太陽系の惑星、一気に3個増か 国際天文学連合が新定義

[ニュース]太陽系の惑星がこれまでの9個から一気に3個増え、12個になる可能性がでてきた。

チェコプラハで開催中の国際天文学連合(IAU)総会で16日、惑星の新定義が提案されたためだ。太陽系で惑星と認定されたのは1930年発見の冥王星までの9個だが、米観測チームが昨夏に冥王星より大きい
「2003UB313」を「第10惑星」と発表するなど、近年、新天体の発見が相次ぎ、定義の見直しを迫られていた。

新定義の採決は現地時間24日午後の予定だ。

 IAU総会に提案された惑星の新定義は(1)天体が自ら球状の形を維持できる重力をもつ

(2)太陽のような恒星を周回している天体で、恒星や、惑星の衛星ではない――の2条件を満たす天体。

 これは質量が5兆トンの10万倍以上、直径が800キロ以上の天体に相当する。

質量が月の約150分の1、直径が月の約4分の1の天体まで含まれる可能性がある。

 従来、太陽系の惑星は地球や金星、土星冥王星などの9個とされてきた。

新定義が承認された場合、「第10惑星」のほか、これまで小惑星とされてきた火星と木星との間にある「セレス(ケレス)」、冥王星の衛星とされていた「カロン」の三つが加わる。

冥王星カロンは、惑星と衛星の関係ではなく、二つの惑星が互いを周回しあう「二重惑星」とみなすことになる。

 新定義は惑星をさらに分け、水星から海王星までの「古典的惑星」と、セレスのような「小型惑星」、海王星より遠い「プルートン(冥王星型惑星)」に区別する。

今後も、冥王星周辺やその外側にあるエッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)の中から、プルートンとみなされる天体が見つかる可能性は高いと考えられている。

 IAUの惑星・衛星命名機関は2年前から、天文学者、作家、科学史家ら7人で構成する「惑星定義委員会」を設け、新定義を検討していた。

天文学は古来、神話や思想、文学、占星術など人類の文化と密接にかかわり、新定義は科学にとどまらず、歴史や文化にも影響を与えるからだ。

 セレスは直径約950キロ、カロンは直径約1200キロで、「第10惑星」は直径約2400キロと推計されている。一方、EKBOとして02年に発見されたクワーオワーや03年発見のセドナは、セレスより大きいとみられるが、球形が維持できているかどうかが未確認などの理由で、今回は惑星とされなかった。

IAUによると、こうした惑星候補は少なくともあと12天体あるという。