「不要ファイル」の削除をどんどん始めよう。

容量をもうちょっとなんとかしたい。「不要ファイル」の削除をどんどん始めよう。デフォルトインストール状態のWindows XPは,普通に使う分には絶対使わないであろうファイルの宝庫だ。まずはこれをザクザクと削除していくだけでも,空き容量は飛躍的に増える。「SP+メーカー」や「nLite」などのツールで,インストール前のWindows XP自体を軽量化するのが本当は一番よいのだが,そこまで面倒なことをしなくても,かなり多くの容量を稼ぎ出せる。それを以下で実践していきたい。
エクスプローラの設定は,ちょっとくらい間違えても壊れたりはしない。ご心配なく

 作業を始める前に,まずエクスプローラの設定を変更しておこう。この先,通常では見えないファイルやフォルダを削除していくので,それを見えるようにしておかないとならない。
 エクスプローラを開き,「ツール」−「フォルダ オプション」を進んでほしい。そこの「表示」タブで,
・「ファイルとフォルダの表示」の「すべてのファイルのフォルダを表示する」 をON
・登録されている拡張子は表示しない をOFF
・保護されたオペレーティング システム ファイルを表示しない(推奨) をOFF(警告が出るが進めてしまって構わない)
にして,「すべてのフォルダに適用」を押しておこう。ただこれをやると,本当に消したらマズいファイルを普通にエクスプローラで操作できるようになるので,注意してほしい。心配な人は,作業が一通り終わったら設定を戻しておくとよいだろう。
 そして忘れてはならないのは,800×600モードへの変更だ。マウスカーソルを上下に動かすとガクガクと画面がスライドしてちょっと目に優しくないが,これをやっておかないと,今後の設定作業中に「OKボタンがとっさに押せない(押しづらい)」ということが頻繁に起こる。設定作業中だけでも,忘れずにやっておこう。今後何度となく再起動をかけることになるが,たまに再起動後に解像度が元に戻っていることもある。チェックを忘れずに。
 なおどうにもダイアログの下のほうのボタンが押せない状況になったら,「Alt+スペースバー」を押してみるとよい。たいがいのウィンドウでは,「移動」や「閉じる」のメニューが表示されるはずなので,カーソルキーで「移動」を選び,マウスカーソルが十字状に変わったら,さらにカーソルキーでウィンドウの場所を動かせる(移動したらEnterキー)。今後Eee PCを使っていく上でも便利なTipsなので,ぜひ覚えておこう。

●まずはその見てくれから

タスクバーを上に置いて使う人なので違和感があるかもしれない。ここまで病的にやらなくてもよいとは思うが,デスクトップはなるべくファイルを置かないに越したことはない。いつもギリギリまで設定を詰めてからアクティベートするので,まだこの段階では未アクティベート

 XPをインストールして/XPのマシンを買って,いつも筆者が最初にやるのが「Windowsクラシック」への変更だ。実用で使うPCに,派手で使いづらいタスクバーやにぎやかなUIはまったく不要だ。基本的には業務にまったく関わりがない部分であるがゆえ,とことんまでバサバサやる。Lunaが好きな人,すいません。
 ところで,世の中にはデスクトップになんでもかんでもファイルを置く人がいるが,OSへの負荷や操作性の悪化を考慮するなら,デスクトップには可能な限り何も置くべきではない。起動のたびに読まれる場所だし,タスクバーの「デスクトップの表示」なんて押そうものなら,きっとガリガリガリガリHDDが鳴っているのだろう。ここに多くのファイルがあればあるほど重くなるに決まっているのだが,たまにファイルで埋め尽くされている人などもいたりして,辛抱強い人なんだなぁ,と非常に感心する。なぜかPCのデスクトップは,現実のデスクトップよりも融通が効かないのだ。注意して使おう。
 ちなみに,筆者の業務用Eee PCのデスクトップは上のような感じ。たまにしか使わないスタートメニューではあるが,中身がぐしゃぐしゃだと気になって仕方ないので,それをいじるためのショートカットだけは配置してある。そんなところは細かいくせに,現実世界の机の上は,いくらぐしゃぐしゃでも大丈夫だ。

1)Windowsクラシックテーマへの変更
古い人(?)には懐かしい,Windows 2000ライクな画面。何をやるにしても,これで十分だ

 画面を右クリックして出るメニューから「プロパティ」を選択。最初のタブが「テーマ」なので,そこをすかさず「Windows クラシック」にする。Eee PCはそこまで“ごゆっくり”な描画能力ではないが,タイトルバーのグラデーションを解除するのも良い。その場合は「デザイン」タブの「詳細設定」で,どこでもいいので設定画面内のタイトルバーをクリックすればよい。「色 1」と「色 2」を同色で合わせればOK。

2)ついでにOSの使用フォントも変更
フォントを変えると上半分がリアルタイムに更新されるので,その様子はぜひ見ておこう。少なくとも筆者が使っている分には,フォントを変えても問題を起こしたことはない

 「デザイン」タブの「詳細設定」を押すと分かるが,タイトルバーなどのフォントもすべて変更できる。もしかしたらちょっとくらい表示上の問題が起こるかもしれないことを気にとめない人は,ここは全部「Terminal」の「サイズ10」を指定しておこう。
 標準設定であるMS UI Gothicは,小さめの字でも割と判断しやすいフォントだとは思うが,通常画面表示のためにイチイチでかいTrueTypeを呼ばれるのはちょっと気持ちが悪い。初心に戻ってビットマップフォントにしておこう。

3)スタートメニューもカスタマイズ
ある程度PCに詳しくてちょこちょこいじるような人であれば「コントロール パネルを展開する」「管理ツールを表示する」にチェックを入れてもよいかもしれない

 スタートメニューの上で右クリックして「プロパティ」を出して,キッチリ手を入れておこう。まずは「クラシック[スタート]メニュー」に変更して[カスタマイズ]を押して,


[スタート]メニューに小さいアイコンを表示する をON(大きいのはちょっと邪魔)
頻繁に利用するメニューを優先的に表示する をOFF(思った位置にないのは困る)
は個人的必須条項だ。「タスクバー」タブで

タスク バーを固定する をOFF
クイック起動を表示する をON
しておくことも忘れずにやる。「最近開いたドキュメントを一覧表示する」も余計なお世話だし,メニューを開くだけで負荷になるのでバッサリOFF。まぁここは個人の好みで決めるべき箇所だが。すべてをキーボードでまかないたい筆者は時計が出るキーボードランチャーを使っているので,タスクバーの時計すら表示していない。

4)エクスプローラも質素にしておこう
個人的にはエクスプローラは一切使わないのだが,たまにテスト機などのデフォルト設定で使うと,ウィンドウが次から次へと山ほど開いてちょっと途方に暮れる

 エクスプローラを起動して「ツール」メニューから「フォルダ オプション」を選択。
 「全般」タブは,


従来のWindows フォルダを使う
別のフォルダを開くときに新しいウィンドウを開かない(ここは好み)
にして,「適用」後,「表示」タブで「すべてのフォルダに適用」を押しておこう。

5)そしてさらに無駄なエフェクトを全部排除
いろいろな項目があるが,とりあえず全部バッサリOFFでも問題はないと思われる

 マイコンピュータを右クリックして,「プロパティ」を選択。「詳細設定」タブのパフォーマンスの設定ボタンを押そう。パフォーマンスオプションの「視覚効果」というタブが表示されるはずだ。ここは一つ「パフォーマンスを優先する」を選択して,根こそぎOFFにしておこう。


●少し危険なレジストリ関係

 続いて,ちょっと危険なレジストリ関係の操作に入る。
 OSをチューニングしてみたいと思った人は,きっと一度は通る道だとは思うが,Googleなどでザッと調べてみると,例えば,
本機能の設定については,レジストリ内のHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
\Session Manager\Memory Management\
に記載されているDWORD値である,IoPageLockLimitを直接編集することで可能になっています。通常のデスクトップPCであれば,10進数で4194304程度を指定しておけばよいでしょう(規定値は524288=512KBです)。
など,意味不明な呪文のような文字がズラズラと書かれているのを見て,大半の人はここで断念してしまう気がする。
 便利なツールがないころは,いちいちregeditを立ち上げて目をシパシパさせながら該当箇所を探すしかなかったのだが,この記事は,あくまでも初心者が対象。今では色んな人が素晴らしいツールをいくつも作ってくれているので,素直にそれらの成果物を使わせてもらうことにしようと思う。
 筆者も直接いじる派なのだが(何度も何度も何度もやってるとさすがに覚える),この記事を書くにあたっていくつか触ってみたところ,過不足なく使いやすそうなツールを二つほど見つけた。「どれがいいのかわかんなーい」という人は,まずそこから試してみてほしい。
 本記事では,「窓の手」(有名)と「tuneapp」(2ちゃんねる発祥の模様)を使ってチューニングしてみよう。

1)「窓の手」編
 公式サイト http://www.asahi-net.or.jp/~vr4m-ikw/
メインメモリを2GBにしているのなら,ファイルキャッシュサイズはもうちょっと増やしてもよいかもしれないが,想像するほどは体感速度に影響しない……と思う

 かなり有名なツール。公式サイトで「Download」を押すと,最新版が2004年5月の日付になっていて「あれ?」と思うかもしれないが,これが最新だ。筆者が試した限り,Windows 2000Windows XP Pro,Windows XP Homeでは,挙動にもなんら問題はなかった。
 早速インストールして起動してみよう。アイコンが変更できたりごみ箱の名前を変えたり,色々なことができるツールだが,記事の主目的は「Eee PCでWindows XPを動かすにあたって,可能な限り軽い挙動にすること」なので,そこだけ説明する。
 まず「パフォーマンス」タブを開く。いじるのは,下記2か所だ。


カーネルを常に物理メモリに配置」をON
ファイルキャッシュサイズ でサイズを直接指定。「2」(2MB)あたりで
 ファイルキャッシュサイズの適正値には諸説あるが,個人的には1〜2程度で十分だと思う。
 上記設定が終わったら,左下のボタン[設定反映]を押せばOKだ。再起動しろと言われたら,素直にしておこう。
 実はこの程度の設定であれば,後述のtuneappだけでもできるのだが,UIや使い勝手に関わる多岐にわたる箇所をいじれるツールなので,インストールしておいても損はないと思う。
 地味だけどお勧めは「ウィンドウ」タブの「コモンダイアログのプレースバー」。設定している人をあまり見ないが,しょっちゅうファイルをいじったり保存したりするのであれば,変更しておくと嬉しい箇所だ。Eee PCにおいては,できる範囲で書き込みを避けるべく,原稿やデジカメの写真など,あらゆるファイルを差しっぱなしのSDメモリーカード(以下SDカード)に保存するようにしている。人によってファイルの一時保存場所は様々だと思うが,それも自在に設定できるので,コモンダイアログを使う保存のときには便利このうえない。

このように設定しておくと……

コモンダイアログではこう表示される。結構便利


2)「tuneapp」編
 作者サイト http://factory.sakura.ne.jp/
質素な作りだが,非常に便利なツール。この手の設定ツールはたくさんの種類があるが,あまりに項目が多くても途方に暮れるだろうし,このあたりがもっとも良い

 続いて「tuneapp」。2ちゃんねるのスレッドが発祥のようだが,シンプルにして必要な機能が揃っているし,それ自体がレジストリを使わないプログラムのようなので,好みにぴったりだった。アイコンすらないシンプル構造だが,お勧め。
 適当な場所に解凍すればセットアップ終了だ。早速,tuneapp.exeを起動してみよう。起動するなりタイトルバーに「Win2000Pro」と書いてあって一瞬心配になるが,問題はない……というか,問題が起こったことはない。
 カテゴリ「システム」「メモリ」「システムリソース」には触るところはない。「メモリ」の部分は,先ほど「窓の手」で設定してあれば,その結果が反映されているはずだ。
 カテゴリ「ディスク」には3か所の設定項目があるが,ここを全部OFFにする。項目の見出しあたりにカーソルを合わせると,親切なことに下に解説が出るので,興味のある人はぜひ読んでおくといいだろう。
 カテゴリ「ファイルシステム」では,「NTFSディレクトリのアクセス時間」をOFFに,「NTFSの8.3形式ファイル名」をOFFに,「4文字以上の〜」は「〜で保護」に,それぞれ設定しておく(Norton Internet SecurityのLive Updateなど,この「NTFSの8.3 形式ファイル名」をOFFにすると正しく動作しないものがあるので,そのときは戻せばよい)。
諸説飛び交うHTTPの接続数。“諸説”と書いてはいるものの,数値を変更するとRFCに準じていないことは明確だ。NTTドコモKDDIの携帯メールアドレスの例が有名だが,あくまでRFCは「推奨」であって強制力はない。だからといって,他人の迷惑を顧みずに増やすのもいかがなものか

 「セキュリティ」「TCP/IP」にも変更点はない。「ネットワーク」の2項目「Windowsネットワークでの管理共有」と「リモート参照」の「タスク」はOFF。そして「Internet Explorer」だが——ここは,「HTTP/1.1」「HTTP/1.0」を,共に「4」くらいにしておこう。
 ここは,Internet Explorer(以下IE)での同時接続数の設定を行う部分だ。筆者——現実に大量のアクセスがあるWebサーバーを運営している人間——の業務的観点からすれば「減らしてください」と言いたいところだが,一般の利用者からすれば,増やせるなら増やしたいのも理解はできる。そしてまた困ったことに,結果的にOS自体がその数値を「増やせる」ようになっている。
 筆者個人として明確に正しい見解へと導く自信がないので,まずは上記くらいの数値で留めておくのがよかろうと思う。興味がある人は,Googleで「RFC http 同時接続数」などとやって調べてみよう。様々な識者の見解を見ることができる。筆者のつたない知識と経験によれば,1.1のプロトコルで数値を増やしたところで,あまり速度に影響はしない。
 分割ダウンロードツールなどもそうだが,同時接続数を増やしたところで別に法律違反ではないし,正直に述べてRFCにはそこまでの強制力はない。しかし広くインターネット全体の公益を考えるのであれば「果てしなく迷惑行為になる可能性が非常に高い」「サーバーからKickされても文句は言えない」ということを認識しつつ(実際にその手の問題に処置をしているレンタルサーバーもある),良識のある対応をとってほしい。あくまでも「推奨」ではあるが,コモンセンスとして知っておいても損はないと思われる。
 さて続いて「エクスプローラ」だが,「シェル統合」は「旧式シェル」で「アクティブデスクトップ」をOFF,ユーザーの行動追跡は行わない,最近使ったファイルは記録しないという設定でいく。「行儀の悪いアプリ」では,ワトソン博士を自動的に起動しないようにしておこう。博士だけど大事なことは何もしてくれないので,別にいなくてよろしい。「タスク切り替え」は変更なしで,「その他」は,敢えていじるなら「アイコンキャッシュサイズ」だけだ。デスクトップにファイルをいっぱい置きたい人などは,増やしてもよいだろう。「2048」程度で大体まかなえると思う。
 以上,駆け足になってしまったが,設定すべきポイントは紹介した。たぶん問題のないレベルの設定だと思うが,心配な人は両ツールに用意されている「バックアップポイントを作成する機能」を使って,こまめな保存と素早いリカバリを心がけよう。


●起動オプションの見直し

 よし,だいぶカスタマイズが進んできた。
 ……いや待てよ。そもそもこのディスク残量では,ハイバネーション(休止状態,以下ハイバネ)にするという線はまずありえない。標準状態のメインメモリ量でさえ,ハイバネをかけるとディスク512MBを使うわけで,メインメモリを2GBに増設しようものなら,ハイバネ自体がおそらく不可能だ。というよりそもそも,意図的に巨大なファイルの書き込みをわざわざ増やすこともない。
 起動もそこそこ速いことだし,長時間使わないときは毎回電源OFFにするのがよかろう。ということは,少しでも快適にするために,起動のオプションも見直しておいたほうがよいのではないだろうか。

1)起動時の画面はいらない
起動時に読み込まれるプログラムの設定をしたり,各種サービス(常駐プログラムのようなものだ)の設定をしたり,ある程度PCに慣れてくるとお世話になることが多い

 そんなわけで,スタートメニューから「ファイル名を指定して実行」を選び,msconfigと入力して[OK]を押そう。msconfigというファイル名とは一見関係のない「システム構成ユーティリティ」という名前のツールが起動するが,それで正しい。
 「全般」「SYSTEM.INI」など全部で6個のタブが表示されていると思うが,目的は「BOOT.INI」だ。画面下半分に「ブート オプション」という欄があると思うが,そこの「/NOGUIBOOT」にチェックを入れ,[適用]>[閉じる]だ。再起動するよう求められるが,まだここでは再起動はしない。[再起動しないで終了する]を押そう。

2)勝手に作るログもいらないよ
Windows系OSのデュアルブートなどをしていると,必ず一度はチェックしていそうな起動オプション設定。今回は,各種ログを作らないようにするだけだ

 続いて,「コントロールパネル」−「システム」−「詳細設定」タブを開いてほしい。今回は,一番下の「起動と回復」の[設定]を押そう。下半分に表示される「システム エラー」の三つのチェックポイントをすべてOFFにして[OK]を2回押せば終了だ。
 何かをOFFにするのは割と怖いが,ここでOFFにした機能は,エラーの原因を探るために使われたりするログ機能だ。普通に使う分には一切関係ないといっても過言ではないので,さほど心配することはないだろう。もし何か将来的に本体がよろしくない状態に陥ってメーカーチェックをお願いすることになったら,ONに戻せばよい(この機能を使って調べることもある)。ページングファイルをゼロにしている影響で続行確認を迫られるが,ここは[はい]を押しておく。
 見直し(1)で行った変更の反映も踏まえ,ここで一度再起動を行っておこう。起動直後に「システム構成ユーティリティ」というダイアログが出て何か聞かれるが,「Windowsの開始時にこのメッセージを表示しない、またはシステム構成ユーティリティを起動しない」にチェックを入れて[OK]を押せばよい。
 起動時のWindows XPロゴが出ないことを確認できただろうか。以上二つの設定で,起動時にOSがもぞもぞやっているアクションの一部を止められて,起動時間が若干なりとも短縮されるはずだ。とはいえ起動時のロゴが出ないと,OSに不具合があったときに「なんとなく目測で判断できない」という欠点もあるので(頼りはHDDアクセスランプだけだ),そこはみなさんの好みで。

3)インデックスもいらないよ
この一番下にあるチェックボックスだ。たいていの人は,ここは黙ってOFFにしてもさほどの問題はない

 起動オプションとはちょっと違うが,マイ コンピュータでのドライブのプロパティの「全般タブ」の一番下,「このディスクにインデックスを付け……」というチェックは,たいていの人は外しておいていいだろう。外すとその場で反映されるので,「C:\、およびサブフォルダとファイルに変更を適用する」を選んで[OK]を押す。作業途中に,おそらくどこかで「アクセスが拒否されました」と出る人がほとんどだろうから,そういうときは「すべて無視」を押しておけばよい。
 これをONにしておくと,膨大なファイルの中からたびたび検索するような場合は格段に速いが,たいがいの人はそういう使い方ではないと思う。SSDへの負荷も減るし,ぜひやっておくべし。

4)レジストリもちょっと減らしておきましょう
質素なページだが,ツールは相当に便利。左に見える「ERUNT」もぜひ試してみよう

 ここまでやったあとで,最後にレジストリを最適化しよう。やっている人が世の中にどれほどいるのかアンケートを採ったことはないし,本当に効果があるのかどうかの確証はないのだが,少なくとも最適化しておいて損はない。と思う。OSの根幹となるファイルであるがゆえ,起動は若干速くなり,ソフトウェアの起動時のレスポンスもよくなるというわけだ。そんなに多くのアプリケーションがインストールされていないのに,OSやソフトウェアの起動にやたらにもたつくような人は,一度試してみる価値はある。
 レジストリを軽量化するツールは山のように存在するが,この手のアクションはこまめにやってこそ価値があるので,できるだけ面倒じゃないほうがよい。ここでお勧めするのは,「NTREGOPT」だ。なんと味も素っ気もないツール名。ずいぶん初期のころから使っているが,筆者が使う限りは一度も問題を起こしたことがない。保証はできないけど。ドネーションウェア(寄付歓迎)なので,気にいって使い続けることにしたら,ぜひ。
 作者Lars Hederer氏の公式サイトからダウンロードしよう。左右に分かれた質素なページだが,右が目的のツールだ。ミラーサーバーは3か所あるが,どこでもよい。ntregopt-setup.exeをダウンロードしてインストールしよう。
 起動しても,ややこしそうなウィンドウは一つも出ない。「このプログラムはWindowsレジストリを最適化しますよん」という英語のメッセージと共に[OK][キャンセル]が表示されるだけだ。なんと使いやすいツール。[OK]を押せば,自動的に最適化が始まる。
 キーに触れず,少し待ってみよう。しばらくすると,「こんなに減りました!」というメッセージと共に[はい][いいえ]のどちらかを聞かれる。[はい]を押せば再起動して最適化したレジストリWindowsを動かすことになるので,押しておこう。ここまでやってきたEee PCのWindows XPでは,最初の実行で14%ものレジストリ軽減化ができた。絶大な効果だ。毎日やっても効果があるようなものではないが,1,2か月に1回くらいはかけるようにしておきたい。
起動してOKボタンを押すだけという,とても簡単なUI。使い方を説明するまでもない。Windows Updateの影響か,一回目は相当量のレジストリ軽量化が図れることだろう




Eee PCであることを再認識してみよう

 ……とここまで一気に原稿を書いて思ったのだが,これじゃあホントにただのWindows XPチューニング講座だ。そろそろEee PCらしい話に戻ろう。ここまでやってきた人は,通常インストールより軽いWindows XPが,多少なりともサクサクと動いていることだろうし,いよいよここからが本番戦だ。ちょっとくらいOSのチューニングをやったことがあるような人も,この先まで,となるとあまり手をつけたことがないと思う。
連載1回目でゼロにしたページングファイル。先々ゲームをプレイするときには,ちょっとくらい設定する必要はあるかもしれないが,今はこのままでよい

 なんだか偉そうなことを書いているが,やっていることは基本的に一つしかない。それは,なるべくSSDに負担を与えないようにするということだ。
 SSDは読み出す分には問題がなく,「同じ箇所」にデータが書かれることによって劣化していく(できるだけ違う部分へ書き込まれるように工夫はされてはいる)。すなわち,意図しない書き込みをできるだけ減らすことが重要なのだ。まぁ普通に使っていても,1年くらいで使えなくなるわけもないと思うが。
前回ページングファイルをなくしたのもその一環だし,前述のようにハイバネも使うべきではない。というより,4GBのSSDだと,使うこと自体がかなり厳しいが……。
極限まで減らせば,キャッシュ容量は「1MB」まで少なくできる。しかし,電源ONの間に何度もチェックするWebサイトくらいは,収めておきたい気もする

 意図しない書き込みの筆頭は,おそらくは「ページングファイル」だ。何も手を入れないデフォルト設定だとサイズもそれなりなもので,あのまま放っておくのは,ちょっと神経に悪そう。でもこいつはOFFにしたので問題なし。
 では次点はなんだろう? おそらく,大半の人がPCの用途として捉えている「Webブラウジング」に伴うキャッシュの書き込みと,OSが勝手に(または明示的に)使うテンポラリフォルダではないかと思う。例えば電子辞書など,サイズの大きいものは一見精神衛生に悪そうだが,実はこれらは書き込みがほとんど発生しないので,容量以外は大した問題にならない。デフォルトのまま動かしている限り,Webを見たら必ず発生するキャッシュや,OSが動いている限り作られ続けるテンポラリファイルのほうが,よっぽど致命的だ。よし,これらをどうにかしようじゃないか。
 当然ブラウザのキャッシュは最小限に小さくできるが(ゼロにはできない),例えばYahoo!やasahi.com4Gamer(?)など,一日に何度も見るようなサイトのデータをイチイチ持ってくるのもちょっとイヤだ。Tempフォルダ(の中のファイル)に至っては,放っておいたら増える一方で,おそらく多くの人が削除したことがないんじゃないかとさえ思っている。
 そしてこの両者には実は共通項があって,「PCの電源を落とすときにはまったく要らないファイル」であるということだ(オフラインでWebのデータを見てる人はすいません)。では,わざわざSSDに書き込んで残しておく必要なんてないんじゃなかろうか。
 そんなわけで,PCにある程度詳しい読者はもう察しがついていると思うが,Eee PCにRAMディスクを作ってみる。RAMディスクとはおおざっぱに言うと,メインメモリの一部を,さもディスクであるかのように扱う機能だ。HDDなぞ比較にならないくらいの速さを誇るメインメモリをディスクにするんだから,読みも書きも遅いはずがない。しかもSSDが動かないので負担もゼロ,という嬉しいオマケ付きだ。
 ブラウザのキャッシュとテンポラリのファイルを全部そこに置いて,SSDに一切負担を与えることなく,電源をつけている限りは快適に過ごしてみようじゃないか。
 ちょっと調べてみた感じ,Windows XPで使えるRAMディスクのツールはいくつかあるようだが,もっとも使い勝手が良さそうでフリーで使えるものということで,ここでは大久保秀昭氏の「ERAM」を使ってみることにする。実際にいまEee PCに導入しているが,すこぶる調子がよい。少林寺拳法2段の腕前(自己紹介より)である氏に感謝。
※注意※
Eee PCで即ゲームを遊ぼうと思っている人は,以下のRAMディスクの設定とTempの設定,ブラウザのキャッシュ設定は,まだ行わないほうがよい。理由は後述する(すべての設定は,自分が遊ぶゲームをインストールしたあとで行おう)。


●「ERAM」をインストールしてみよう

公式サイトから,まずERAMをダウンロードする。筆者は,「正式版置き場」から「ERAM for WindowsNT3.51/4.0/2000/XP Ver 2.20 ドライバ」をダウンロードした(ファイル名:ERAMN220.LZH)。しかしRAMディスクなんて,MS-DOSの「DEVICE=RAMDISK.SYS」以来だ。
 まずこのLZHファイルを,どこかに解凍する(言い忘れていたが,事前に圧縮解凍ソフトである「Lhaplus」くらいは入れておいたほうがよい)。例えばE:\Testに解凍したら,E:\Testの中に\2000,\NT351,\NT4という三つのフォルダと,ERAMNT.CPL,ERAMNT.DOC,ERAMNT.SYSという三つのファイルがあるはずだ。
 通常のアプリケーションインストールとは違い,このツールにはSetup.exeがない。インストールは,少々手数が多いが,必ず以下の手順で行ってほしい。

1)コントロールパネルから「ハードウェアの追加」をダブルクリック。「ハードウェアの追加ウィザードの開始」の画面が出るので[次へ]を押す

2)ハードウェアの検索が始まる。何も追加していないので,「既にこのハードウェアをコンピュータに接続していますか?」と聞かれる。ここで「はい、ハードウェアを接続しています」を選択して[次へ]を押す

3)「インストールされているハードウェア」の一覧が出てくるので,このリストの一番下にある「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択して[次へ]を押す

4)インストール方法は「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択して[次へ]

5)ハードウェアの種類を聞かれる一覧が出るが,ここには存在しないものなので「すべてのデバイスを表示」を選択して[次へ]

6)しばらくディスクが回って,ハードウェアの製造元とモデルを選択する画面になる。ここで右下の[ディスク使用]を押して,先ほど解凍したフォルダの\2000フォルダの位置を入れて(上記例ではE:\Test\2000)OKを押す

7)すると「モデル名」に「ERAM for Windows NT/2000/XP」と書かれた画面が出るので[次へ]を押す。デジタル署名がどうのこうの言われたりもするが(言われない場合もある),基本的にはすべて[次へ]と[継続]で進めれば完了
というわけでZドライブにアサインされたRAMディスク。普通のドライブのように中を見ることも,もちろんできる

 完了後に一度再起動してマイコンピュータを開けば,「MS-RAMDRIVE」と書かれたドライブが増えているはず。それがRAMディスクだ。デフォルトでアサインされるドライブレターが「Z」なので,そこが何かの事情ですでに埋まっていた人(自宅のネットワークドライブをアサインしていた筆者のことだ)は表示されていなくて焦るが,コントロールパネルに「ERAM」のアイコンが追加されているので,慌てず騒がずそれをダブルクリックしよう。
 マイコンピュータにRAMドライブのアイコンがあろうがなかろうが,コントロールパネルからERAMの設定を行う。設定とはいっても,せいぜい3か所くらいをいじれば十二分に使える。
 まずドライブ文字だが,これは完全に好み。ただ,なにぶんEee PCはノートPCで,USBのCD-ROMドライブやUSBフラッシュメモリイーモバイルのUSB機器(ドライブレターがアサインされるのだ)などで,アルファベットの頭のほうのドライブレターはちょっと面倒が起こる可能性があって危険だ。今後完全に固定ドライブで使うため,まず間違いなく影響を受けない「Z」に近いところがよい。
 続いてディスクサイズ。ここも完全に好みで良いのだが,メインメモリをそのまま使うため,あまり大きくはしないほうがいい。今回はブラウザのキャッシュとTemp用途にしか使わないため,メインメモリ1GBの場合を想定して約256MB(248000KB)あたりで設定してみる。2GBにした人は512MBあたりまで増やしてもなんら問題はない。
※1月26日18:15追記※
 読者のみなさんから質問をいただいたので追記。RAMディスク容量を増やすとERAM自体が認識されない症状に見舞われることがある。そういうときは,ERAMに添付されているドキュメントをよく読んで,msconfigの「BOOT.INI」タブの下のほうにある「詳細オプション」で,「/MAXMEM=」の数値を入力しよう。ここで入力した分の数値だけがOS起動時に認識されるようになり,余った分をERAMに割り当てられる。
 例えばメインメモリを2GBに増設しているのであれば,ここに1536(単位はMB。すなわち1.5GB)を入力しておけば,OSに512MB分(0.5GB)が認識されず,ERAMでそのぶんを丸々使えるようになるわけだ。OSに認識されない,と書くと損したような気分になるが,OSから見たときの結果は(ほとんど)同じなので気にする必要はない。そのときはERAMの設定で,「メモリ確保元」を「OS管理外領域」に設定しておくことを忘れずに。
 メモリ確保元は,通常の場合は「OS管理:移動可能ページ領域」で構わない。メインメモリが2GBなど余裕がある場合には,「OS管理:固定ページ領域」にしておくのがよいだろう。あとは右下の「TEMPディレクトリ作成」にチェックを入れて[適用]を押して[OK],その後再起動をすれば設定完了……といきたいところだが,再起動前に,念のため一つだけおまじないをかけておきたい。
 スタートメニューのアクセサリから「コマンド プロンプト」を起動して,
 rundll32 eramnt.cpl,StartupFastfat 1
何もエラーを出さずにこんな画面になれば,設定は正しく済んでいる

と入力してEnterキーを押す(一行で入力すべし)。この呪文には深い理由があるのだが,とくに考えずにそのまま入力してくれれば問題ない。「FASTFATドライバのスタートアップのシステムに変更しました」というメッセージが表示されればOKだ。ここで再起動しよう。次に立ち上がったときには,指定したドライブレターでRAM ディスクが使えるようになっているはずだ。
 ……と,ここまでを丁寧に文章にするとトンデモなく長いが,実際の工程はさほどではない。実行前にここまで読んでゲンナリしている人も,躊躇しないで試してみてほしい。なかなかトリッキーなことをしているツールなので,添付されているドキュメントは必ず目を通しておくべし。


●個々の環境に応じて,データフォルダをSDやUSBに移動

 あとは,個々の環境に応じて,ファイルを書いたり消したりが激しいアプリケーションの類(たぐい)は,すべてSDカードやUSBフラッシュメモリに移動させておこう。例えば筆者は,
Firefoxのアドオンである「Scrapbook」のクリッピングファイル
・「Xyzzy」というエディタ上で使ってるメモツールhowmのメモデータ
の保存場所をすべてUSBフラッシュメモリ上に設定してある。読み書きはちょっとだけ遅いが,なんとなく精神的にもよいし,何より,一日何度も(場合によっては何十回も)頻繁にアップデートされるデータを,複数台のマシンで常に同じ状態に保って参照できるのは大きな魅力だ。とはいえUSBフラッシュメモリやSDカードを過信することは禁物なので,マメにバックアップを取っておくことを忘れずに。バックアップも取りやすいことだし。
 またそういう具合に外部デバイスを使い,複数台のマシンで同じデータを参照したいときは,ドライブレターの固定を行っておこう。筆者のデータ用USBフラッシュメモリは,「Kドライブ」として固定させてある。
Eee PCではないほかのマシンの画面で申し訳ないが,ドライブ文字固定の手続きはこのように行う。迂闊にほかのデバイスを,変な文字で固定しないように注意

 固定方法は,外部デバイスを差した状態で「コントロールパネル」−「管理ツール」−「コンピュータの管理」を開き,左側のメニューから「記憶域」−「ディスクの管理」を選べばよい。右にドライブ一覧が表示されるので,固定したいドライブを選んで右クリックメニューから「ドライブ文字とパスの変更」−「変更」だ。
 さて,やっとこさなんとなく環境が詰まってきた。ここから先は個々の環境なので,存分に(というほど容量はないが)好きなアプリケーションを入れてほしい。ゲームのインストールまで,もう少し,だ。
 最後に,Eee PCに適してそうなツールをいくつか挙げておこう。「軽い」「便利」「フリー」を主軸に,SSDに負荷を与えないツールを選んでみた。個人的にも日常的に使っているツールなので,たぶん問題はない……と思う。すべて有名なソフトウェアではあるが,もしかして誰かの役に立つかもしれないので,念のため。余談ではあるが,Eee PCにおいてはディスクのデフラグはしないように心がけたし。
 次回3回目は,やっとゲームだ。あと1回のお付き合いをお願いしたい。
メーラー
nPOPQ (サブマシンにメールは溜めない)
<ビューア>
IrfanView (画像ビューワはこれで十分)
Media Player Classic (動画は大体これで)
<システム関連ツール>
CCleaner (いろいろなゴミファイルの一発掃除にお勧め)
NTREGOPT (紹介済み)